陰陽師とは何者か書影
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陰陽師とは何者か

うらない、まじない、こよみをつくる

国立歴史民俗博物館 編
定価:本体2,500円(税別)
在庫あり
B5判・並製本
カラー296頁・モノクロ32頁
初版発行年月2023年10月10日
ISBN:9784909782212
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■紹介・書評■

  • 【書評】『サライ』2024年2月号(2024年1月10日発行)


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■内容紹介■

 

いま「陰陽師」といえば、多くの人が思い浮かべるのは、小説やマンガなどに描かれる、人知を越えた霊的な能力を持つ平安時代のマジカルな存在、安倍晴明の姿だろう。

しかし陰陽師は平安貴族の政争のなかにだけいるのではなかった。
歴史を通じて、古代から明治はじめまで陰陽師は存在し、社会のなかで大きな役割を果たしてきた。
時間と空間(方位)の吉凶を調整し、占い、祭祀、まじないに携わることによって、国家の存立からお産・病など個人のくらしにいたるまで、人々に安心をもたらし、未来への指針を示してきた。各時代の暦の作成・頒布にも深く関わった。
そのために最新の知識・技術や経験を継承し、時間と空間に対する感覚をつちかい、磨き上げ、それらを人々に伝える真摯な努力を続けてきたのが陰陽師である。

本書は、具体的な資料にもとづいて、古代から近代にいたる歴史のなかで、陰陽師がどのような役割をはたし、どういった文化を担っていたのかを紹介する。
また、安倍晴明にまつわる「ものがたり」も取り上げ、伝承の世界の陰陽師像についても見つめ、最後に陰陽師たちが作り、広めた暦に焦点をあて、その現代に至るまでの姿を追いかける。
240点以上の資料をカラー写真で掲載。

【2023年10月3日から12月10日に国立歴史民俗博物館で開催する同名の企画展示の図録】

■執筆者(執筆順)
小池淳一(国立歴史民俗博物館)
細井浩志(活水女子大学国際文化学部)
赤澤春彦(摂南大学国際学部)
遠藤珠紀(東京大学史料編纂所)
松山由布子(中京大学教養教育研究院)
田中大喜(国立歴史民俗博物館)
梅田千尋(京都女子大学文学部)
山本琢(京都府立京都学・歴彩館)
小田真裕(船橋市郷土資料館)
近藤絢音(神奈川県立公文書館)
水谷友紀(京都府立大学)
林 淳(愛知学院大学文学部)
小田島梨乃(東京大学大学院博士課程)
下村育世(日本学術振興会特別研究員)

■目次■

 

プロローグ 陰陽師をさぐる

第Ⅰ部 陰陽師のあしあと

第一章 陰陽師、あらわる―古代の陰陽道
1 陰陽師をさぐる
 (1)中国の占いの日本伝来
 (2)最初は占い師だった
2 陰陽師あらわる
 (1)陰陽師は変わった
[コラム1]呪禁師とは
 (2)陰陽師の活躍、はじまる
 (3)なぜ陰陽道は流行ったのか―平安京は魔界都市?

第二章 陰陽師、ひろがる―中世の陰陽道
1 賀茂保憲と安倍晴明
 (1)晴明と師・保憲の活躍
 (2)人々にとっての陰陽師
 (3)朝廷陰陽道(官人陰陽師)のひろがり
[コラム2]安倍氏中興の祖、泰親の活躍
2 武家へのひろがり
 (1)陰陽師、鎌倉に下る
 (2)陰陽師、室町殿に仕える
 (3)戦国時代の官人陰陽師たち―土御門家と名田庄
3 社会へのひろがり
 (1)さまざまな「陰陽師」
 (2)ひろがる暦、占い、呪術の知識
[コラム3]新たに発見された紙背文書
 (3)さまざまな暦の流通

第三章 陰陽師、たばねる―近世の陰陽道
1 土御門家、陰陽道本所へ
 (1)天皇・将軍・大名と陰陽道祭
 (2)陰陽道支配の確立
 (3)陰陽道本所という場所
2 各地の陰陽師たち
 (1)禁裏陰陽師(地下官人陰陽師)
 (2)村の知識人
 (3)土御門旧跡と名田庄

第四章 陰陽師の仕事
1 陰陽師の一年
 (1)暦日と方角(方位)
 (2)占い
 (3)祭祀(陰陽道祭と反閇)
 (4)まじない
[コラム4]大将軍神のすがた
2 陰陽道の典拠と実践
 (1)勘申
 (2)陰陽道書
 (3)呪符・墨書土器

第五章 陰陽道と民俗
1 神霊操作
2 悪疫退散
3 観天望気

第Ⅱ部 安倍晴明のものがたり

第一章 安倍晴明とその子孫

第二章 安倍晴明のライバルたち

第三章 転生する安倍晴明
[コラム5]安倍晴明の昔話
[コラム6]関東の安倍晴明伝説

第Ⅲ部 暦とその文化

第一章 暦をくばる
1 陰陽師と暦
[コラム7]南都陰陽師の祭祀用具
2「暦掛り記録」と暦造りの一年
3 陰陽師でいるために

第二章 暦をかえる
1 近世の改暦
 (1)貞享改暦と文芸
 (2)天文方とは―江戸時代の改暦事業
 (3)渋川家について
 (4)科学史的視点からみた改暦事業、観測儀器
2 家業としての作暦
[コラム8]「旧暦」とは
[コラム9]二十四節気とは
3 さまざまな暦

第三章 暦をそろえる
1 暦の近代化とその影響
 (1)明治改暦と人々の対応
 (2)さらば陰陽師
2 近代国家と暦
 (1)神宮の暦の時代
[コラム10]日本の帝国主義と東アジアの暦
3 暦からカレンダーへ
 (1)暦の自由化
 (2)現代のカレンダー

エピローグ 陰陽師が残したもの

史料翻刻
掲載資料一覧 など

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